フロントフォークがフワフワして来て、ガソリンが少なくなってきた時の
初期の挙動が危なくなって来た為に、フォークオイルの交換を行います☆
個人的にはたぶんフォーク内部のエアが抜けてきた為に、エアバネの反発が少なくなって来たせいなので
トップキャップ開放だけでもいいと思いましたが、サスペンションの慣らしが終わってる頃でしょうから(走行5000キロ)
フォークオイルを交換する事にします☆
まずはジャッキアップする為にジャッキでフレームを一旦持ち上げて、さらに揺らしてみて大丈夫かを確認します☆
フロントが無いまま倒れたら怪我しますからね〜★
一旦ジャッキを外して、ステムベアリングもグリスアップする予定なので
強く締まってるステムナットを緩めておきます☆
フロントフォークの突き出しは、約12mm☆、フォークキャップの厚みが2mmあるので…
実際にはフォークのけがき線の2本目になります☆
カウルやフェンダー類を取り外します☆、ここまでが大変…★
プリロードと伸び側減衰を最弱にしておきます☆
圧側減衰の高速と低速を最弱にしておきます☆
ブレーキキャリパーを外して、キャリパーをホースでブラ下げないように、ビニール紐で吊っておきます☆
ブレーキレバーは絶対に握らないように!!
トップブリッジとハンドルバーとアンダーブリッジのピンチボルトを緩めます☆
フロントアクスルピンチボルトとアクスルボルトも緩めておきます☆
ちなみに、右側アンダーブリッジのピンチボルトを緩める時にラジエタータンクが邪魔になるので
タンクの上側のボルトの穴を、ラジエターのタンク取り付けの下側に移動させて、タンクの位置を下げると簡単です☆
フォークのトップキャップを緩めます☆
パンタグラフジャッキを左右交互に少しずつ伸ばして、フロントを持ち上げます☆
ジャッキは指で簡単に回せます☆
フロントタイヤを持ち上げる高さは1cmほど、多すぎるとフロントホイールを入れる時に苦労します
フロントアクスルを慎重に抜きます☆
フロントホイールを外しました☆
続いてフロントフォークも外します☆
フォークキャップを緩めて、アウターチューブから外します☆
フロントフォークの分解が難しいのはここからです☆
中のスプリングが強くて、トップキャップを取り付けているボルトに辿り着けないのです★
ここで専用工具☆、『ひとりでできた〜君』の登場です☆
『モーターサイクル ウエアハウス Vio (ヴィオ)』さんで購入しました☆
下を固定する為に、バイスに板を付けて、作業しやすくしておくのがコツです☆
伸ばしたり縮めたりで、足場を作っておかないと作業が非常に辛くなります★
板を足で踏めたりすると、かなり安定して作業できます☆、ここから先はこの状態で作業しますので…
この工具さえあれば、簡単にスプリングを縮められて、フォークを分解できます☆
こんな感じでセットして、グリグリ回せば…
うぉりゃっ!!、あっと言う間に…
トップキャップが外せます☆
一応ネジの長さをチェック☆、13mmほどですね☆
中のカラーやスプリング類を取り出して、パーツクリーナーで清掃しておきます☆
フォークを逆さまにして、バットにオイルを排出します☆
さらにロッドプーラー+ロッドプーラーアタッチメントを使って残ったオイルをガンガン出します☆
ロッドの動きの最後の部分で、ロッドの動きが硬くなるのですが、ここに真っ黒なオイルが残ってるので
伸び縮みの最後の硬くなる部分は特に念入りにオイルを抜きます☆
あらかじめオイルがあるうちに、端っこまでロッドを動かして、真っ黒なオイルを浮かせておいた方がいいかも☆
フォークの内部部品☆
左右でちゃんと別々に管理しておきます☆
フロントフォークが無くなった、R6★
この状態で倒れたら、支えようなんて思わずに、一目散に逃げる事をお勧めします★
怪我だけは絶対に避けねばなりませんので!
バイクが倒れただけなら笑い話で済みますが、怪我をしたら笑い話になりません!★
もう一本のフォークも分解します☆
トップキャップボルトが締め付けられていて外れませんので、少し脱脂してノンスリップシートとプライヤーでボルトを外します☆
この部分のネジを、あと2mmほど多く切っていてくれさえすれば、こんな苦労はしなくていいんですけどねぇ…★
バットに排出したオイルはネズミ色になってました★
5000キロの走行でここまで汚れるとは…、やっぱり新車は早めに交換しておいたほうがいいかもですね〜☆
この次のフォークオイル交換は10000キロ走ってから(約1年後)でいいと思います☆
フォークを逆さまにしてオイルを抜きます☆
このまま30分ほど放置☆
その間にステムベアリングのグリスアップをしておきます☆
トップブリッジは簡単に外れます☆、その下のロックナットですが
2枚のロックナットの歯が合うようにワッシャーが入っていて…
ロックナットの間にゴム製のワッシャーが入ってます★
このゴムワッシャー、フニャフニャでロックナットがちっともロックナットの意味を成してません★
本音を言えば外したい部品ですが、トップブリッジの高さが変わってしまうので、付けるしか無いのです★
出来れば、同じ厚さのステンワッシャーに交換したいです★
2枚目のロックナットは意外と緩く付いてました★
ブレーキングのときに少しカタカタ感じてたのは、たぶんコレでしょう☆
(と、思ってましたが、このカタカタはフォークのダストシールとオイルシールの滑りが悪い為に発生していたものだったようです★
メンテ後に走ってみると、ステアリングの切れ方が良くなっているので、メンテ前はかなり強く締められていたのだと思いますが
ここの規定トルクはそこそこ緩めの為、手応え的には緩く締め付けられていたように感じたのだと思います)
アンダーブリッジにアクセルワイヤーが付いていて、ステムが落ちません★
しかし、これは簡単に外せます☆
ステムベアリングとステムを外しました☆
グリスは少し部分的に硬く変質してますが、まだまだ大丈夫みたいです☆
アンダーレースも綺麗です☆
アッパーレースも問題なし☆
古いグリスを綺麗に清掃します☆
新しいグリスは「シルコリン PRO RG2」レーシング・グリースです☆
100%化学合成で、赤くて耐久性のあるグリスだそうです☆
ステムレースとベアリングに容赦なく塗りたくります☆、ベアリングには押し付けるように塗ります☆
ここで遠慮してると、ここまで分解した意味がありません!、思いっきり行きます☆
一番下のシールにも塗って、防水性をアップしておきます☆
アッパーベアリングとアッパーレース、インナーレースにも新しいグリスを塗って組み立てておきます☆
上に被さるシールにもグリスを塗って防水性をアップさせておきます☆
ステムをフレームに組み込みます☆
ブレーキホースやアクセルワイヤーが邪魔をしてなかなか上手くいきませんが、慎重に入れます☆
ロックナットの1枚目を強く締めてから…
少し緩めて、軽く左右に動いて、ガタの無い部分を探ります☆
位置が決まったら、あとは使いたくないゴムワッシャーを入れて、2枚目のロックナットを指で締めこみます☆
あんまり強く締めこむと、ゴムワッシャーがペッタンコになって、ロックナットの外にまで潰れてはみ出てしまうので注意!★
あとは回転防止のワッシャーを付けるだけです☆
新しいフォークオイルは「オーリンズ R&T43」です☆、一応指定オイルなんですが
ヤマハ純正の「サスペンションオイル M1」でも良いそうです☆
粘度指数は19と、あまり他にはない粘度です★
キャップを開くと、中にも封がされていました☆
フォーク一本に482cc使うそうですが、最終的には油面高さで決めちゃうので
適当に500cc入れちゃいます☆
オイルを入れたら、フォークを20cmほど伸ばして、手で蓋をして、フォークを圧縮します☆
これで圧が掛かってオイルがフォークの各部へ押し込まれて浸透します☆
10回ほどフォークを圧縮したら、ロッドプーラーでインナーピストンをゆっくり上下させて
中のカートリッジにオイルを回します☆、これも気泡が出てこなくなるまで10回ほどやります☆
とりあえずトップキャップを軽く付けて、30分ほど放置☆
この時にはもうクタクタになって疲れてきてました★、やっぱり真夏にやる作業じゃなかったか★
フォークの油面が落ち着くまで、トップブリッジとアンダーの穴の位置を適当に合わせておきます☆
ついでにフロントホイールのカラーを外してグリスアップも行っておきます☆
ダストシールを少しズラすと、カラーにグリス溜り用の凹がありますので、そこにグリスを入れるのも忘れずに☆
さて、約30分後、フォークオイルの油面高さが落ち着いたのを確認して(ロッドプーラーを動かして泡が出なかったらオッケー)
油面高さ調整器で油面高さを規定の高さにします☆
2本のフォークで100ccほど余りが出ました、フォークのどこかに30ccほど残っている様です☆
次にアンダースプリングシート、スプリング、アッパースプリングシートの順で入れて
再びロッドプーラーを付けてからスペーサーを入れて、「ひとりでできた〜君」を使ってスプリングを圧縮します☆
この写真はちょっと段取り間違ってますが★
ロッドプーラーを引き上げた状態からスペーサーを入れて、ロッドプーラーで上に引っ張りながらスプリングを圧縮します☆
圧縮し終わってからダンパーアジャストロッドを入れて、トップキャップボルトを付けて、トップキャップを締め付けます
トップキャップは伸び側減衰の調整が25段階になるように高さを調整しながら取り付けます☆
完成したフロントフォーク☆、やった☆、あとは取り付けるだけだ〜☆
フォークの取り付けは簡単です☆(全てのボルトを緩めておけば)
アンダーだけ少し締め付けた後、フォークのトップキャップを規定のトルクで締め付けておきます☆
その他の各ピンチボルトは規定のトルクで締め付けます☆
フロントホイールも速攻で入れちゃいます☆、意外とすんなり入りました☆
ブレーキキャリパーも忘れずに取り付けます☆、ブレーキレバーを触っていなければ、パッドは簡単に入るはずです☆
フロントホイールのアクスルナットはジャッキから降ろして締め付けます☆
ハンドルを真っ直ぐにして、フロントブレーキを効かせたままフォークを数回伸縮させて、ハンドル真っ直ぐ+車体直立のまま
フロントアクスルを締め付けます☆
アクスルピンチも忘れずに、規定の順番で規定のトルクで締め付けます☆
ついでにフォークのダストシールを外して、オイルシールとダストシールの間のインナーにシリコーンオイルを塗っておくと
動作性が良くなって、シールが長持ちします☆、10回ほど体重をかけて伸縮させて、外へ出たオイルを綺麗に拭き取っておきます☆
最後にステムナットを規定のトルクで締め付けて、各部締め付け忘れが無いかチェック☆
最弱にしておいた減衰機構、プリロードを標準に戻します☆
電装ケーブル、各ワイヤーのワイヤリングが正しいかチェック☆
全てのカウルを取り付けて、フォークオイルの交換とステムベアリングのグリスアップは完成です☆
この先1万キロはこのフォークオイルで走れるはずです☆
フワフワして来たら、時々ジャッキアップしてフォークキャップを開いてエアバネを戻すだけでいいはずです☆
少しフォークを圧縮してみると、しっかりした感触があります☆
これでガソリンが無くなってきた時のフワフワ感が無くなれば良いんですけどね〜☆
排出した古いフォークオイル☆
吸わしてみると、やっぱりかなり変色して劣化していたんでしょうね〜☆
交換して良かったと思います☆
さて、この作業、朝の9時からやり始めて、夕方の4時ごろに終わりました★
休みでないと出来ませんね〜★、しかもかなり疲れます★、倒れそうなくらいに…★
経験の無い方はお店で素直に頼むのが宜しいかと…☆
2008/08/11
試運転してみると、フロントの具合が良くなってました〜☆
まるで空飛ぶ絨毯のように滑るように走ります☆
細かいショックを全て吸収してショックが来ません☆
慣らしの時の感触が蘇りました☆
アクセルがパーシャルの状態の時だけ、細かいピッチングが起こりますが
こういうバイクでパーシャル状態ってのはほとんど無いので、無視する事にします☆
フロントサスが少し硬くなった感触なのですが、倒しこみも全く怖くないので、ちゃんと動作しているようです☆
とりあえず、作業前よりは断然良くなりました☆
あと、納車時にあったハンドルを左右に素早く何度も切ると、振り落とされそうになる現象が無くなりました☆
あれはメチャクチャ怖かったので、無くなって良かったです☆
2008/08/12
7600キロほど走って、気温も下がってきたし
そろそろフロントがフワフワしてきたので、トップキャップを開いてフォーク内部の空気圧を外気に合わせました☆
オイル交換直後の空飛ぶ絨毯の感触が蘇りました☆
やっぱりR6はこうでなくちゃ☆
トップキャップ開くには構造的にフロントをジャッキアップして、フロントホイールも外さないと駄目ですね★
かなりの重仕事になっちゃいますが、このフロントサスの感触が得られるのなら手間を掛けるだけの価値はあります☆
2008/10/10